パパスタスパパの楽曲歌詞



はなびら
作詞:日向達也
作曲:日向達也
編曲:パパスタスパパ

凍えた背中 抱きしめて
あなたをそっと 包みましょう
いつも私の 傍らで
悲しい話を 遠ざけて

あなたを遮る その影は
花びら蒔いて 散らしましょう
赤や黄色の 春の花
いつも一緒に 摘みましょう

幼いあなたが 傍に来て
歌を歌って くれました
夢で見たような 幸せは
昨日 確かに ありました

街行き人を 追いかけて
あなたを探すの やめましょう
いつも私が いるように
灯りともして 待ちましょう
◎1991年に始まった湾岸戦争の際、作った歌。戦地に赴く兵士にも、戦場と化した街に暮らす人々にも、それを伝えようとする人にも、命の光が戻るのを待つ人がいる。


Oh! じいさん
作詞:日向達也
作曲:日向達也
編曲:パパスタスパパ

Oh じいさん のんべさん トモダチ たくさん
Oh じいさん お人好し おしゃべり 大好き

白い 象に乗って  
フワリ 宙にうかぶ
極楽行きの各駅停車
黄泉の国は もう見えたかい
月を横切り 桜の酒を
腰にぶら下げ ゆらり

Oh じいさん のんべさん トモダチ たくさん

白い 象に乗って  
フワリ 宙にうかぶ
極楽行きの各駅停車
黄泉の国まで あと少し
星を 肴に 桜の酒を
迎い笑顔で ちびり

◎2009年3月。父が亡くなる3日前のこと。ホスピスの部屋で、Ceeちゃんが見舞いにくれた「片野桜」という酒を開けた。「お前と飲む酒が一番旨い」と、本当に旨そうに呑んだ父。その年の桜には間に合わなかったが、楽しい花見酒だった。僕は笑う事、話す事、歌う事が好きな父の息子だなぁと思う。。

 

 Gumbo

 作詞:日向達也
 作曲:日向達也
 編曲:パパスタスパパ


コバルト・ブルーの ボトル・ツリーが見えるかい
俺らの住んでる おんぼろショットガン・シャック
ルート49&61 あそこが噂のクロスロード
あいつが言うには 悪魔が佇む
  Monday (働け 働け)
  Tuesday (働け Wednesday)
  Thursday (働け 働け)
  Friday (Saturday)
    ガンボ ガンボ 土曜の夜はガンボ
    ガンボ ガンボ 朝まで騒ごうぜ
    ガンボ ガンボ 土曜の夜はガンボ
    ガンボ ガンボ 週に一度は ガンボ
綿摘み暮らし 歌うはフィールド・ホラーズ
クラークスデールじゃ 朝から晩まで  
だけど今日は土曜日 ジョーク・ジョイントに集まれ
ベッドとビールと あの娘がいれば天国
  Monday (働け 働け)
  Tuesday (働け Wednesday)
  Thursday (働け 働け)
  Friday (Saturday)
    ガンボ ガンボ 土曜の夜はガンボ
    ガンボ ガンボ 朝まで騒ごうぜ
    ガンボ ガンボ 土曜の夜はガンボ
    ガンボ ガンボ 週に一度は ガンボ


◉用語解説
●ガンボ:アメリカ南部の一般的なスープ料理の総称。
●ボトル・ツリー:青い空き瓶を木にさした黒人たちの魔除けの風習
●ショットガン・シャック:ショットガンで打ち抜けるほど薄っぺらな小作人の住居
●クロスロード:ブルースマン「ロバート・ジョンソン」が、ルート49と61の交差する十字路で、ギターの腕とひきかえに自分の魂を悪魔に売り渡したという伝説の地。
●フィールド・ホラーズ:プランテーションで作業する黒人奴隷達が歌った労働歌。ブルースの原型と言われている。
●クラークスデール:ミシシッピ川流域の綿花栽培地帯の中心地。
●ジョーク・ジョイント:黒人達が集まる居酒屋兼ギャンブル場。白人達の「ホンキートンク」には、黒人は入れなかった。

※参考文献:ジェームス・M・バーダマン 著『わが心のディープサウス』


Show Boat

 作詞:日向達也
 作曲:日向達也
 編曲:パパスタスパパ


僕らの住んでる町の 波止場はいつも
ツィンシティーからメキシコ みんな集まってくる
ミシシッピー・リバーを走る 船はいつもすし詰め
黒い煙と 色とりどりの人

  ヨー ソロー 
  取り舵いっぱい 船長さん
  ヨー ソロー
  みんなの憧れ 進めニューオーリンズ


夜になればショータイム デッキに繰り出せ
マリアッチにデキシーランド 聖者も踊るよ
バーボンストリートに着けば 誰も眠らない
真っ赤な火炎を 夜空に吹き上げ

  ヨー ソロー 
  取り舵いっぱい 船長さん
  ヨー ソロー
  目指すは 夢のセントルイス

  ヨー ソロー 
  取り舵いっぱい 船長さん
  ヨー ソロー
  みんなの憧れ 進めニューオーリンズ


◎2005年8月末にアメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーナが、音楽の聖地ニューオーリンズに壊滅的な被害をもたらした。敬愛するサッチモ(ルイ・アームストロング)が感化院で初めてコルネットを手にし、出所後、リバーボートに乗ってミシシッピー河の沿岸を流すフェイト・マラブル楽団で働いていた頃のイメージをベースに、憧れの地の復興を願った作品。僕のアメリカ南部への憧れは、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』に始まり音楽に繋がった。

 

 

辻音楽師

 作詞:日向達也
 作曲:日向達也
 編曲:パパスタスパパ


じいさんの仕事は 自転車屋
朝から修理に 忙しい
春でも夏でも 真冬でも
働き続けて 50年

仕事が終われば いそいそと
じいさんどこかへ 出かける支度
仲間が集まる 路地裏で
やおら取り出す マンドリン

  そぉーれ 始めよう
  ギターに太鼓にマンドリン
  そぉーれ 始めよう
  おれたちゃ町の バンドマン

ある日ふらりと 古道具屋で
たまたま見つけた マンドリン
弾いたことは なかったが
思わず虎の子 握りしめた

いつもの仲間が 集まって
頑固じじいが 笑ってる
祭の日には わしらが主役
この町じゃ知らぬ 者はない

  そぉーれ   始めよう
  ギターに太鼓にマンドリン
  そぉーれ   始めよう
  おれたちゃ町の   バンドマン


◎ この詩のモデルは僕の祖父。稼業は自転車屋であったが、琵琶を奏でたり、歌っては素人名人会の予選で落とされるような
芸事好きじいさんであった。亡くなるひと月ほど前に、本人からバイオリンを弾いていた事を聞き、驚きのあまりこの歌を作った。事実なのかホラなのか今となっては確かめる術もないが、じいさんによると、町内でバンドを作り、鴨川の床下の河川敷で演奏し、おひねりを投げてもらって小遣い稼ぎしていたそうな。「辻音楽師」とは、今で言うところのストリート・ミュージシャン。血ですかねぇ。